家(建物)と神様の話

                     家(建物)と神様のお話

家の中の神様は、さまざまな形で存在すると考えられています。一般的に、家の中の神様はその家族や住人にとって、幸せや安全をもたらす存在として崇められています。

 

古くから神道などを崇敬する家庭では、家の中の神様は特定の神聖な場所に祀られ、そこで家族や住人に加護を与えると信じられています。家の神棚や祭壇がその象徴であり、そこに供えられる食べ物や祈りが神様への敬意を表します。

 

家宅六神(かたくろくしん)と呼ばれる建物の材料や構造を示した六つの神様(六柱)がいます。

 

『古事記』において、国産みを終えた伊邪那岐(イザナギ)・伊邪那美(イザナミ)の二柱の神は、神産みを始めます。その結果、6柱の神が誕生しました。

 

〇石土毘古神(いわつちびこのかみ) 家の材料である石と土を司る神様

〇石巣比売神(いわすひめのかみ)  石巣は石砂、石砂を司る神様

〇大戸日別神(おおとひわけのかみ) 家の出入口を守り司る神様

〇天之吹男神(あめのふきおのかみ) 屋根そのものを司る神様

〇大屋毘古神(おおやびこのかみ)  屋根の災厄を司る神様

〇風木津別之忍男神(かざもつわけのおしおのかみ) 暴風から家を守る神様

 

これらの神々が、建物の材料や家そのものを守ってくださっています。 

さらに、福を受けると言われている神「大歳神」様、水の神様の「天之水分神」、台所・浴室の「火之迦具土神」様、「三宝荒神」様、戸棚や柱の「大黒様」(だいこくさま)、トイレには「烏枢沙摩明王」「弁才天」、家の門には「天石門別神(あまのいわとわけのかみ)」様など様々な神様がいらっしゃいます。日本では昔から、それらの神様を祀り、家(建物)を大事にしてきたのが良くわかります。

 

また、家の中の神様は家族の先祖や祖先を象徴することもあります。家族の歴史や伝統を守り、家族の絆を強める存在として、多くの家では祖先を祀ることが行われています。

 

さらに、家の中の神様は日常生活の中で感じられるさまざまな形で表れることもあります。家族の絆や愛情、思いやりが神様の存在として感じられることもありますし、家の中で起こる幸せや喜びが神様の祝福として受け取られることもあるかもしれません。敷地内にも稲荷様をお祀りしたり、屋敷神として祀られた祠を見かけることもあります。

 

家の中の神様は、人々にとって安心感や希望を与える存在であり、家庭の中で大切にされることが多いです。家族や住人が共に暮らし、助け合い、愛し合う中で、家の中の神様もその存在を示し、守り、祝福してくれると考えられています。

 

このように、土地建物(不動産)と神様の関係は、古くから生活に根付き大切にされてきました。現代の建物事情ではすべての神様を祀ることは出来ないにしろ、そういう本質をつかんだうえで建物に感謝し、それぞれを司る神々にも感謝の念をもって生活されることが、結果として幸せな日常生活が営めることにつながると思います。

 


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